第15章 別れの言葉
「それで、話しかけたからには何か用があるんだろうな?」
「ああ、うん。この間の《森》のこと」
ピクリと、ドラコは森と言う単語に反応した。
「わたしが倒れた時、支えてくれたって聞いたから…ありがとう」
「…別に…お前がぼくの方に倒れてきたから仕方なく助けてやったまでだ」
「…フフ、そっか」
ミラは相変わらずつれない態度のドラコに、笑みがこぼれた。
「な、なんだ…気持ち悪いぞ」
今までと違った様子のミラに、ドラコは顔をしかめながらミラを見た。
「----アンタとは色々あったけど、悪くなかった----もっと素直だったらよかったのにって思うけど」
「余計なお世話だ」
「---それじゃ、わたし用があるから----さよなら」
「…?」
怪訝そうな顔で、ドラコは背中を向けて去っていくミラを見ていた。モヤモヤすような言い方に、ドラコは不快だと思いながらも、どうしてあの様なことを言ったのか、さっぱりわからなかった。
まるで----。
(なんだ、さよならって…何を言ってるんだ、あいつは…変なこと言いやがって)
晴れない心に、ドラコは不機嫌になりながらスリザリンの談話室へ向かったのだった。