第15章 別れの言葉
括り付けられた手紙を外すと、ノクチュアはフクロウ小屋のある方角へ飛び去ってしまった。きっとヘドウィグに会いに行ったのだ。
ミラは寝転んでいた場所に座り直すと、届いた手紙を開き始めた。中には数枚の手紙と、2枚の写真が入っていた。
「誰から?」
ロンが言った。
「あなたのお兄さんから。ほら、見て」
「ぼくの兄貴?----その写真!」
ロンは一体どの兄だろうと考えながら、ミラが見せていた写真を見て驚きの声を上げた。その声に、ハリーとハーマイオニーもミラの写真を見てビックリしていた。
「そいつは…もしかして---ノーバート?」
写真に写っている子供のドラゴンを、三人は見間違えるはずはなかった。ロンは苦い顔付きで写真に映るノーバートを見ていた。
「試験前に手紙を送ったんだ、ノーバートが元気かどうか。それで写真だけでもくれないかってお願いしてみたんだ…ハグリッドだって1枚も持ってないだろう?」
「なんか手が痛くなってきた」
ロンはノーバートに噛まれて大変だった日を思い出し、写真から顔を背けるように寝転んだ。
「手紙にはなんて書いてあったの?」
ハーマイオニーが聞いた。
「ノーバートは元気だってさ。それで----ノーバートは雌だって書いてある!今は『ノーベルタ』って呼ばれてるみたい」
ミラはウキウキと手紙を読み進めていくと、ハリーが突然立ち上がった。
「ハリー?」
ミラは不思議そうにハリーを見上げた。
「今、気付いた事があるんだ」
ハリーの顔は真っ青だった。
「すぐハグリッドに会いにいかなくちゃ」
先に進み始めたハリーに、ミラたちは慌ててハリーを追いかけた。
「どうして?」と、息を切らしながらハーマイオニーがハリーに聞いた。
四人は草の茂った斜面を登りながら、ハリーの話に耳をかけた向けた。
「おかしいと思わないか?ハグリッドはドラゴンが欲しくてたまらなかった。でも、いきなり見ず知らずの人間が、たまたまドラゴンの卵をポケットに入れて現われるかい?魔法界の法律で禁止されているのに、ドラゴンの卵を持ってうろついている人がそう何人も居るかい?」
ミラは、ハリーが何を言いたいのかわかると、同じように顔を青ざめさせた。