第14章 禁じられた森
気分転換を終えて図書館に戻ると、ハリー達三人が勉強をせずに何か話し込んでいた所に居合わせた。三人もミラに気が付くと、ハリーは静かに手招きをした。
「ハリー、どうかしたの?」
「スネイプがついにクィレル先生から聞き出したんだ」
ミラは目を大きく開けた。
「…で、どうする?」
すぐに目を細めてハリーに聞き返すと、ハリーは何かを言いかけようと口が開いたが、口を閉じて、顔を下に向けた。
「そのことなんだけど…」
ハーマイオニーが代わりに答えた。
「ダンブルドア先生に話すべきだってわたしは言ったんだけど、証拠もなしに言えば、わたし達がただスネイプ先生をクビにするために嘘をついるんじゃないかって----それにわたし達は、石のことも、フラッフィーのことも知らないことになってるって----」
チラリとハーマイオニーはハリーを見た。
誰も話そうとせず、暗い雰囲気が漂った。ミラはため息を一つこぼすと、一つ空いているロンの隣の席に座ると、机に積まれた本を適当に取って読み進めた。
きっと自分がいない間に話は決まってしまったのだとミラは雰囲気で感じていた。せっかく気分転換をしにノクチュアに会いに行ったのに。しかしこれ以上ハリー達に、自分勝手な行動をして、もっと暗い雰囲気にさせるわけにもいかず、ミラは静かに本を読むことにした。
翌日、朝食のテーブルに、ハリー、ミラ、ハーマイオニーの三人の元に手紙が届いた。その手紙は内容が同じで、この間の真夜中に抜け出した罰則についてが書かれていた。
ハリーもハーマイオニーも、文句の一つも言わなかった。その処罰を素直に受けるべきだと二人は思っているようだった。
そしてその日の夜十一時、談話室でロンと別れると、三人は手紙に書かれていた玄関ホールへ向かった。そこには管理人のフィルチと、----不機嫌そうなドラコがいた。
すっかり忘れていたが、あの日部屋から抜け出したのは自分達だけじゃなかったとようやく思い出した。
フィルチに「着いてこい」と言われて、ランプを灯して前を歩くフィルチに続いた。
「規則を破る前に、よーく考えるようになったろうねえ。どうかね?」
と、フィルチは意地の悪い目付きで後ろを振り返った。