第13章 ノルウェー・ドラゴンのノーバート
「はぁ?」
シェーマスはジッとミラを見た。
そしてハッと気が付いた顔をすると、隣に座ったネビルとディーンに声をかけた。
「ネビル、ディーン!こいつ、グローヴァーだ!」
名前を呼ばれたネビルとディーンは、シェーマスが指をさしてミラだと言うと、髪の毛が短いミラを見て同様にビックリした顔をしていた。
「てっきり男だと思った」
「そりゃどーも」
シェーマスの言ったことなど気にすることなく、ミラはパンプキンスープに手をつけ始めた。
「シェーマス、失礼よ!ミラは女の子よ!」
ハーマイオニーがシェーマスに抗議した。
「それは知ってる!でも思いっきり切ったんだな」
「…まぁね」
「それに前ははっきり見たことなかったけど、グローヴァーの目ってスッゲー紫なんだな」
珍しいのか、ジロジロ見てくるシェーマスに、ミラは不機嫌そうにそっぽを向いてカボチャースープを飲んだ。
「シェーマスもなんか食べた方がいいんじゃない?」
ハリーがシェーマスに夕飯を進めると、シェーマスは思い出したように夕飯に手をつけだした。やっと自分に興味を失ったシェーマスに、ミラはホッとため息をついた。
----今日は早く部屋に戻りたい。ミラがそう思って大広間の入り口を見ると、バッチリと誰かと目が合ってしまった。大広間の入り口に立っている人物は、きっと今日自分を見てビックリした人物の中で、一番目を大きく開いて驚いた顔をしていただろう。
なんとなく目が離せなくて、お互い見つめ合っていると、それに気が付いたハリーが、ミラの視線を辿って後ろを振り返った。
そしてその視線の先が誰かわかると、ハリーはドラコを睨みつけた。
「マルフォイだ」
ハリーの声に、周りにいたハーマイオニー達もドラコを見た。急に大勢に視線を向けられたドラコは、視線を振り切ってクラッブとゴイルを引き連れて、スリザリン寮のテーブルへ行ってしまった。
「何かあったの?」
ネビルがハーマイオニーに聞いた。
「えぇ、ちょっとね」
ツン、とした言い方に、ネビルはハーマイオニーの機嫌が良くないことを悟った。