第13章 ノルウェー・ドラゴンのノーバート
夕飯を食べに大広間へ向かう前に、ミラたちはもう一度医務室に向かった。手と膝の擦り傷を直してもらうためだ。すでに今日のロンの面会はマダム・ポンフリーによって追い出されたので、ハリーとハーマイオニーは医務室の外で待っててくれた。
「あら、貴方…そんなに髪が短かったかしら?」
「…ちょっとスッキリしたくて切ってもらいました…」
訝しげにミラを見るマダム・ポンフリーの質問に、ミラは少しヒヤヒヤしつつも、何事もなかったかのように話した。怪我をした箇所は、ハナハッカエキスですぐに治った。
医務室を出る前にロンの様子を見にいけば、ロンは案の定あんぐり口を開けてミラを見ていた。
「き、君…その髪、どうしたの…?」
「…ロンが元気になってから話すよ…あ、でも手紙はなんとかしたから安心してよ」
マダム・ポンフリーに追い出される前に、ミラは足早に医務室を出た。きっとロンに事情を話せば、大声を出すに決まっているとミラは思った。それにあまり病気のロンを興奮させたくなかった。
医務室でハリー達と合流すると、三人は大広間に向かった。ミラはずっと黙ったまま、ハリーとハーマイオニーの後に続いた。
大広間に着くと、すでに生徒があちこちで席に座り、すでに夕食を食べ始めているグループもいくつか見かけた。三人は空いているグリフィンドールの席を見つけると、ミラの隣にハーマイオニー、前にハリーが座った。
食事を始めると、まだ来ていなかったシェーマスやネビル、ディーンが近くを通ると、ハリーに声をかけた。
「ハリー、もうここにいたのか。隣、いいか?」
「あ、ああ、もちろん」
シェーマスがハリーの横に気さくに座ると、それに続いてネビルとディーンも座った。
「ロンのやつ、一体いつ犬に噛まれたんだ?随分顔色が悪かったよな」
「あー…ハグリッドのかな?多分じゃれつかれた時かも」
「ふーん…おい、ハリー」
シェーマスが声を潜めてハリーの耳元で話しかけた。
「グレンジャーの隣の奴誰だ?グリフィンドールにいたか、こんなやつ?」
「あー…」
「わたしだよ、シェーマス」
ミラは不機嫌そうにシェーマスに声をかけた。どうやら聞こえていたらしい。