第13章 ノルウェー・ドラゴンのノーバート
あぁ、やってしまった----眠ってはいけなかったのにと、ミラは前も後ろもスースーする感じにむず痒くなった。
「それにしても」
「!」
「綺麗な瞳だ」
「宝石みたいだ」
「フレッド、口説いてるのか?」
「お前こそ、ジョージ」
突然自分を真ん中に挟み、クスクス笑い出す双子にミラはまた口をモゴモゴさせた。ミラはサッと椅子から飛び降りると、「ありがとう」とぶっきらぼうに双子に言って、ハリーとハーマイオニーのいるソファーへ逃げ戻った。
「あーらら、逃げられちゃったわ」
「ミラは照れ屋さんなのね」
「ロニー坊やとは大違い!」
おかまっぽく喋りだした双子の会話を後ろに、逃げるようにしてハリーとハーマイオニーのところへ行くと、二人はミラを見ると目をまん丸にさせた。
ミラは「やぁ…」と、小さく声をかけ、モジモジしながら空いているハリーの隣に座った。
「とっても素敵よ、ミラ!前髪も切ってもらったのね!」
「勝手にだよ…」
「ロングヘアーも良かったけど、ショートヘアーもすごく似合うわ!ね、ハリー!」
「え?あー…うん、とっても似合ってる」
「…フレッドとジョージはハリーと双子みたいだって」
いつもある前髪がないせいか、ミラは手で何度も前髪を撫でつけた。
「そう、ね…髪の色も背丈も似てるし…でも眼鏡はしてないわ」
「眼鏡…」
ミラはハリーを見ると、ハリーは困ったように手元に持っていた本に顔を戻した。
「…でもちょっと嬉しいかな、なんて…ハリーと似てるってさ、なんか本当の家族みたいで」
ミラがポツリと話しだした。ハリーは手元に持っていた本から慌ててミラを見ると、ミラの頬がポッポッと、赤く染まっていた。それを見たハリーの頬も、うっすらピンク色に染まり、二人は困ったようにはにかみ合った。