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【HP】怪鳥の子

第13章 ノルウェー・ドラゴンのノーバート


 まだ両手、両膝の怪我なら、マダム・ポンフリーには転んだとした怪我だと言えば、誤魔化せたかもしれないが、髪はそうもいかない。毛生え薬や、きっと髪が伸びる薬もあるだろうが、明らかに只事ではないミラの状態は、マクゴナガル先生の耳に届くだろうと三人は思った。

 その時、パッと談話室のドアが開いて、騒がしい声が二つ入っていきた。フレッドとジョージだった。「げっ」と、ミラが小さく声を上げると、ソファーに深く座り込んで、身を隠そうとした。

 そんな不可解な行動をする人物を、双子が見過ごすはずもなく、挨拶しに三人のところへやってきた。

「やぁ、ハリー、そしてお嬢さん達!」
「浮かない顔してどうしたのさ…って…」

 わざわざソファーの前までやってきたフレッドとジョージは、上着がボロボロのミラを見てポカンと口を開けてミラを凝視した。

「わぉ…怪我したグリフィンドール生がいたって聞いてたんだけど」
「まさかミラ、君だとは!」
「よく見れば髪の毛もボサボサじゃないか!」
「どいつにやられたんだ?俺たちがやり返してやるぞ!」

 交互に喋る双子に、ミラは答える隙が見つけられなかった。言葉になりきれなかった音だけが出て、どう答えればいいのだろうと口をモゴモゴさせた。

「マルフォイだよ」

 ハリーがすかさず答えると、ミラはハリーのお腹に肘を小さくぶつけた。なんとなくドラコのことは言ってほしくなかった。

「女の子の髪をこんなにする趣味があるとは…」
「お金持ちの考えることはわからないな、ジョージ」
「ああ、フレッド。とんだ悪趣味のヤローだ」

 ミラはドラコがわざと髪に呪いを当てたのではないと弁明しようとしたが、そもそも自分に呪いを当てようと挟み撃ちにされ、ハグリッドとノーバートをよく思っていないことを思い出すと、弁明する気が無くなった。
 今度双子の悪戯の的になればいいと思ったのだった。
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