第13章 ノルウェー・ドラゴンのノーバート
談話室に着くと、ハリーとハーマイオニーがミラを開いているソファーに座りつけた。ハーマイオニーが部屋から持ってきたタオルを濡らして持ってくると、血だらけの手と膝を優しく拭き取ってくれた。
ミラはハーマイオニーとは逆隣に座ったハリーから、強い視線を感じて、目が合わないようハリーを頑なに見ないようにハーマイオニーのしてくれている作業を見ていた。
「あいつがやったのか?」
言わなくても、ドラコのことだろう。
「ミラ、何があったか説明するべきだ。この間のネビルに、ただ呪いをかけただけの話じゃない。君は大怪我をしてるんだよ」
「こんな傷、そんな大したことじゃ…」
「君が気にしなくても、ぼくやハーマイオニーは気にするよ!」
ハリーは目も合わせようとしないミラの前まで移動して、床に膝をついた。
「ぼく達、君の後を追ったけど見失ったんだ…ぼく達がどれだけ心配したか、君はわかってるの?」
真正面に来たハリーは、ミラをジッと見つめた。怒っているのに、済んだエメラルド色の瞳を見て、ミラは居心地悪そうにモゾモゾした。
「ミラは…ぼくのたった一人の家族だ。ぼくが退学になるかもしれないってなった時、あいつにすごく怒ったって聞いてる…ぼくもそうだ、君が無茶をして退学になるってなったら、ぼくだってマルフォイを殴り飛ばしに行くよ」
「…」
「君が無事で良かった…けど、もう無茶しないで」
ハリーから怒りの感情が消え、困ったようなハリーの眉毛が八の字になると、ミラはやっとハリー達にすごく心配をかけてしまったと理解した。
「ごめん、ハリー…ハグリッドとノーバートのこと、どうにかしたくて…それにハーマイオニーも、ごめん」
「あなたって本当に飛び出していくんだから…!次あなたが飛び出して行っても、引き戻す呪文を勉強しておくわ!」
「それは…ちょっと困るかな」
涙目のハーマイオニーの発言に、ミラは困りながらもやんわり否定した。地下で起こった事を簡潔にハリー達に伝えると、せっかく怒りが治ったハリーがまた怒りだした。
「最低のクソ野郎だ、マルフォイの奴は!3対1なんて卑怯だ!」
「本当よ、女の子の髪をこんなにするなんて!」
ハーマイオニーは、ミラの不揃いの後ろ髪を見て言った。