第22章 想いと約束
「わぉ……ピチピチだ。しかも足が全部出てるから恥ずかしい!実弥君の前に出る前に……よいしょっと」
実弥に見せるのも少し恥ずかしかった稽古着。
風音が言った通り、足の付け根から爪先までさらけ出され、手も腕から爪先まで惜しげも無く。
そして襟ぐりは鎖骨よりも下に設けられているので、胸元ギリギリまで大っぴらげだ。
更に辛うじて布で覆われている胴体の布はぴたりと体の線にそって張り付いており、風呂で手拭いを巻き付けている時より露出が多いように見える。
いくら他の剣士たちより露出多めの隊服を好んで身に付けている風音と言えど、羽織やキュロットパンツなど体の線を隠せるものがないと恥ずかしいらしい。
せめてもとキュロットパンツの下に履いてるズボンを装備し、手拭いを手にいざ実弥の待つ隣りの部屋へ。
「実弥君、着替えたよ!少し恥ずかし」
スパーン
と襖が吹き飛ぶのではと心配になるくらいに勢い良く襖が開き、その勢いのまま手を引かれ、風音の体はあっという間に隣りのお部屋へと引っ張りこまれた。
「予想以上に全っ然隠せてねェ!……こんな格好で剣士共の前に出んのかよォ……足は戦闘時とさほど変わらねェとしてもだァ……こんなの……」
(女の大切なトコ零れ出ちまいそうじゃねェかァ!どうする……どうすりゃいい?!服着せたくても甘露寺の稽古に横槍入れんのも良くねェし……クソがァ!何でこんなことで悩まなきゃなんねェ?!)
とりあえず風音の手に握られていた手拭いを体にくるりと巻き付け、大切なところが溢れ出てしまわないようにと保護をする。
だがこれをしたからと言って問題が解決するわけでもなく、キョトンと首を傾げる風音に溜め息を一つ。
「はァアア……しゃあねェ。俺が見張っててやるよ。お前の体盗み見る馬鹿いりゃあ睨み付けてやる」
「睨み付けて?大丈夫だよ、私は蜜璃ちゃんみたいに女の子らしい体付きじゃないもん。見ても喜ぶものなんて……何だか自分で言ってて悲しくなってきた」
よく分からないところでシュンとなる風音の頭をくしゃりと撫で、今の格好がどれほど男にとって刺激的なものかを言い聞かせた。