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涼風の残響【鬼滅の刃】

第22章 想いと約束


「きゃあ!風音ちゃん、不死川さん!ようこそ、おいでませ!どうぞどうぞ、上がって下さい!」

という事で風音の処遇が決まってから数日が経過し、本日は蜜璃の屋敷へと手合わせ兼稽古を付けてもらうために赴いて来た。

門を叩き出迎えてくれた蜜璃はいつも通り元気で可愛らしく、風音が満面の笑みで蜜璃の手を握り締めてぴょんぴょん飛び跳ねる反面、実弥は蜜璃の元気な声に既に疲れたようでぐったりしている。

そんな実弥の手を風音が引っ張り屋敷内にお邪魔すると、どことなく甘くいい香りと共に軽やかな音楽も聞こえてきた。

「蜜璃ちゃんのお家、すごくいい匂い!それに音楽まで……いつも音楽も流してるんですか?」

「私のお家は養蜂場を営んでいるの!だからお家の中にいつもハチミツがあって、甘い香りがするんだと思うわ!音楽はね、私のお稽古で流してるからいつもは流れてなくって……そうだわ!よければ不死川さんも私のお稽古に」

「参加するわけねェだろォ!何が悲しくてあんな服着なくちゃなんねぇんだ……おい、風音。手拭い何枚も用意しとけェ」

そう言えば蜜璃の稽古は音楽に合わせて体を動かすことだったなぁとニコニコしていたのに、どうも実弥はそれ以上のことを知っている模様。
稽古内容以外知らない風音は、立ち止まり遣り取りをしている二人を見守ることにした。

「不死川さんにも似合うと思ってたから残念だわ……伊黒さんとは一緒にお稽古したのだけど、やっぱり似合ってたのよ?」

「伊黒着たのかよォ……あんなピッチピチの服……信じらんねェ……」

何が起こるのか……ピッチピチの服とは一体なんのことなのか冷や汗をかいている風音に実弥が向き直り、何故だか物凄い形相で凄み出した。

「いいかァ?稽古着着たあと、稽古場行く前に俺んとこ来い。俺が最低限ギリギリ人前に出せるようにしてやる。あぁ……いつも隊服の下に履いてんのも持ってこい」

「う、うん。分かった。えっと……ピッチピチの服っていったい……」

「着れば分かる」

目が血走っている実弥のその理由を知ろうと蜜璃を見つめると、やはり可愛らしい満面の笑み。

「とっても可愛い稽古着よ!楽しみにしていてね!」

二人の正反対な反応に首を傾げながら、風音は実弥の手を離れ蜜璃に着替え部屋へと案内された。
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