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涼風の残響【鬼滅の刃】

第20章 強化訓練と育手


「風の呼吸 弐ノ型 爪々・科戸風」

「夙の呼吸 漆ノ型 裂葉風(れつようふう)・改」

今回の合同強化訓練に組み込まれている柱同士の手合せ。
こちらに至っては柱同士で予定を組み、それぞれが柱全員と手合せを順次行っていくことになっている。

まだ合同強化訓練が始まったばかりなので柱たちは剣士たちの稽古に勤しんでいる。
つまりこの二人は人知れず手合せを一番初めにしているのだ。

現在その手合せは風音の稽古場、不死川邸から少し離れた普段二人が鍛錬を行っている場所へと移動して行っている。

「はァ、相変わらず技の習得は早ぇなァ。ま、お前の呼吸なんだから当たり前か」

先ほど実弥に見せてもらった裂葉風の改良版。
実弥の技によって相殺されてしまったが、的に当たっていれば粉微塵に出来るほどの数の斬撃が風音の手によって放たれた。

「実弥君がお手本見せてくれたから。ふぅ……夙の呼吸ーー」

相手が他の柱ならば隙を着くような風音の行動は褒められたものではないかもしれないが、実弥相手だとまた別の話。
いつも通りの手合せの光景なので驚かれたり叱られたりするはずもなく、何だったら実弥の顔は笑みで満たされた。

「風の呼吸 陸ノ型 黒風烟嵐!」

不意打ちにも関わらず風音の技は実弥によって見事に受け流され……それだけでなく風音の木刀を粉微塵に吹き飛ばしてしまった。

「俺の隙をついたのは褒めてやる。だがまだまだお前は甘ぇ、いつんなったら俺相手に本気出してくれんだァ?手加減して技出してたら手合せの意味ねェだろ」

喉元に木刀を突き付けられた風音は手を上げて降参だと示しながら、稽古時としては珍しく悲しげに顔を翳らせる。

「うん。私が本気出しても実弥君なら大丈夫だって分かってるんだけど……こればっかりはどうも慣れなくて。上弦の壱相手にしなきゃなんだから、言ってる場合じゃ……ないよね!実弥君、もう一度お願いします!」
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