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涼風の残響【鬼滅の刃】

第10章 犠牲と招集


「だから……何でてめぇらは毎度着いてくんだよ?!」

「え?そりゃあお前、殺気撒き散らしてるお前の手を掴もうとして吹き飛ばされかけたのに、お前に危害が及びそうになった時に前に立ちはだかりちっこい身を呈してお前を守った嬢ちゃんを労うために決まってんだろ?」

「ふむ、風音は肝が座っているな!だが俺もだが、柱全員が肝を冷やしていたぞ!あのままでは怪我をしていても可笑しくない状況だったからな!結果的に怪我をしてしまったが」

というわけで、本当は二人で食事処へ赴く予定だったのに、門の前で天元と杏寿郎と遭遇したので、嫌がる実弥を押し切った二人と共に食事処へとやって来ている。

「テメェら……はァ、もういいわ。風音、食いたいもん決まったかァ?」

先ほどから皆の会話を聞いていた風音は慌てて品書きを見て決め、実弥へと品書きを手渡した。

「うん、これにする!……天元さん、杏寿郎さん。ご迷惑とお手間を取らせてしまってすみませんでした。えっと……実弥さんに損な役回りをしてもらいたくなかったとはいえ、軽率な言動でした。あのね、私のお父さんのことがあったでしょう?私の気持ちを推し量ってくれた実弥さんに……うぎゅ……」

実弥の手が風音の頬へと伸び強く掴まれてしまった。
恐る恐る実弥へ視線を向けると……やはりご機嫌はよくないようである。

「本っ当にお前の口は次から次へと余計なこと喋りやがんなァ!俺の傷縫う前にお前の口縫っちまったらどうだァ?そうすりゃ余計なこと喋れねぇだろ」

本気で縫えばいいと思っていそうな表情なのでフルフルと首を左右に振って辞退願ったが……眉を下げてポソポソ呟いた。

「口を縫ってしまったら実弥さんとお喋りも出来ないし、口付けも出来なくなっちゃう……あ、すぐ抜糸すれば……」

パチンと強めに風音の口を押さえたがもう遅い。
杏寿郎はいつも通りニコニコと見守ってくれているだけだったが、天元は吹き出し腹を抱えて笑っている。

「ブハッ!そうだよなぁ!恋仲なのに接吻の一つも出来ねぇとか悲しいわな!愛されてんじゃねぇか、不死川!ここまで派手に大っぴらげな女も珍しいが、お前にはちょうどいいだろ!」

「仲がいいのはいいことだからな!君たちには幸せになってもらいたいものだ!」
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