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涼風の残響【鬼滅の刃】

第7章 初任務と霞柱


風音の血が鬼にとって毒の性質をもっていると知っているのは実弥としのぶ、そして偶然風音から聞いた杏寿郎のみである。

初めて聞いた柱たちは天元と猫の話で未だに盛り上がっている風音へと一斉に顔を向けた。

「え?……私、また何かやらかしましたか?」

「いやいや、嬢ちゃん。お前の血の話だろうよ……俺も初耳だが嬢ちゃんの血で鬼死んじまうのか?」

一緒に猫の話をしていたはずの天元はちゃんと二人の話も耳に入れていたらしい。
笑顔だったはずなのに今は驚愕しているのか目を見開いている。

「はい。私は死ぬ前に頸を斬ってるので確認してないですけど、たぶん死ぬと思います。なんででしょうね?」

「何でもクソも先天的なものに理由ねェだろ。けど……お前の血、先を見る度に強くなってねェか?体に異常は?」

確かに先天的なものであれば考えても仕方がない。
そう生まれただけで望む望まないに関係なく備わっているのだから。

考えても仕方のないことはさて置き、風音は過去のことを頭の中で巡らせながら実弥の質問に答える。

「確かに言われてみればそう……かも?意識したことなかったからはっきりとは断言出来ないけれど。体に異常もないしどこかが痛いとかもないかな」

柱全員から見ても風音が嘘を言っている様子は感じられずホッと息を着くも、能力を使いこなせさえすれば鬼退治に関して絶対的な力を手に入れそうな風音に驚愕していることには変わりない。

「先を見ると鬼に対する毒の要素が強くなる……という事か。しかし強くなったとて血を流さなければならないなら、使わないに越したことはないのではないか?」

「そりゃあ使わねぇことに越したことねェよ。煉獄、もっと言ってやれ。コイツ、自分の血を使って何か作ろうと画策してんだァ。俺が怒鳴っても効き目薄い」

言われてしまった。
柱ほぼ全員の視線は厳しいが、特にしのぶと杏寿郎は事前に知っていただけに皆より一層風音に向ける視線が厳しい。

「実弥さん!どうして言っちゃうの?!しないって言ったのに……」

叱っても効き目が薄い風音が一番堪える方法がこれだと判断した実弥は、慌て涙目になっている風音がいくら見つめてこようと、そっぽを向いて知らんふりをしている。
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