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涼風の残響【鬼滅の刃】

第7章 初任務と霞柱


あの日から同じ布団で眠ることがお気に入りとなった風音に無意識の夜這いをかけられた実弥は絶賛寝不足真っ只中である。

「不死川、大丈夫か?!目の下の隈が酷いぞ!眠れていないのか?」

「お前あれだろ、嬢ちゃんと恋仲になったからって毎晩愛でて寝不足なってんだろ?若いねぇ」

「恋仲?!やっぱりそうだったのね!藤の木を一生懸命探してたから、もしかしてって思ってたの!」

そして寝不足真っ只中のまま新柱の就任式に挑み、賑やかな柱たちと昼餉をとっているところだ。

「お前ら好き勝手言いやがって……最近ようやく羞恥心覚えた女相手に愛でるもクソもねェだろォ」

「ふむ!俺は君の心配をしていただけなのだがな!まだ柱合会議まで時間はある。なぜ寝不足なのかは分からないが、辛いなら少し休むといい」

杏寿郎の声が控えめになるくらい実弥の体調は芳しくないのだ。

「柊木、不死川はなぜこうも寝不足に陥っている?連日の任務だったわけではないだろう?」

フラフラと今にも眠ってしまいそうな実弥に聞くことが出来ず風音へと小芭内が問い掛けるも、風音も分からないというように首を傾げた。

「不甲斐ないのですが実弥さんが目を閉じる前に私が寝てしまうので、どうして寝不足になっているのか分からなくて……私の体が熱くて寝苦しいのでしょうか?」

たった今全員が実弥が寝不足な理由を察した。

「ちょっとお前黙ってろォ……余計な情報……コイツらに与えんなァ……」

最低限のお叱りを残して実弥はついに眠りについてしまった。
…… 風音の肩に頭を預けて。

「寝ちゃった。お久しぶりの実弥さんの寝顔……少し幼く見えて可愛いですね」

こちら呑気に実弥の気苦労を知らず寝顔を愛でる風音。
一年前まで実弥の後ろに隠れ不安げに後をついてまわっていた面影が今の風音からはすっかりなくなっていて、その場の全員が穏やかな笑顔となった。

「不死川さんが人前で眠るなんて珍しいですね。余程寝不足だったのか、風音ちゃんがお隣りにいるからか……あれからどうですか?感覚の共有、どうにかなりそうですか?」
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