第5章 遮二無二〜伏黒恵〜
ピンク色の可愛い下着をずらして膨らみを堪能する。
可愛い乳首に吸い付けば甘い吐息が漏れる。
可愛い声。
「恵?何してるの?」
気づくとみやびがこちらを見ていた。
「コンビニに行った帰りです。」
嘘ではない。
「そうなんだ。私はちょっとのぼせちゃったから夕涼み。」
のぼせちゃった?
可愛すぎだろ。
「そうですか。長風呂は気をつけて下さい。貧血気味なんですから。」
「はーい。恵は優しいね。」
あなたにだけです。
好きなんだから当然のこと。
「では、失礼します。」
「うん。またね。」
みやびが望んだことだ。
俺にどうこういう権利なんてない。
部屋に戻り、妄想の続きを楽しんだ。
妄想だから自由だろ?
本当は触れたくてたまらない。
キスしたくてたまらない。
愛の言葉をささやきたくてたまらない。
夜中、悶々として眠れなくなりジュースを買いに外へ出た。
自販機でジュースを買って部屋へ帰ろうとした時、誰かが走ってくる気配がした。
「みやびさん?」
みやびだった。
「っ、恵?」
月明かりに照らされたみやびの顔は異様に青白かった。
そして、彼女は泣いていた。
次の瞬間には体が勝手に動いていた。
「みやび……何があったの?」
思わずみやびを抱きしめ、呼び捨てにしてしまった。
「誕生日……で、その……家で待ってたの……っ、だけど来なくて……迎えに行ったら……女……と……っ」
誕生日?
みやびのは再来月だから、向こうの誕生日か。
「女といたの?」
「して……た……」
それ最悪だろ。
何なんだよ、あの男は。
みやびをこんなに傷つけて。
「良ければ俺の部屋へ。」
そう言うとみやびは黙って頷いた。
手を繋ぎ自分の部屋へ連れて帰った。