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愛欲♡【呪術廻戦】裏夢 短編 R18  

第5章 遮二無二〜伏黒恵〜


ぶっちゃけハルくんは私より弱い。
だから彼に少々殴られたぐらいでは大して痛くもない。
肌が白いからアザは酷いけど。

殴られて倒れた私を床に押し付け、無理矢理抱く。
私の力なら跳ね除ける事は簡単に出来る。
だけどしない。
虐げられても耐えろと教えられて育ったから。

だけど正直キツい。

優しくて愛情に満ち溢れたハルくんを知っているから。
小さい頃から私を大切に扱ってくれたから。
大事にしてくれたから。

初めての時だってすごく優しかった。

そんなハルくんが大好きだった。
今は全然違う。
優しさのかけらもない。

だけどハルくんとはどうしたって別れられない。

こんな生活が一生続くのかと思うと吐き気がするけど、私の生きる道はこれしかない。
頭の中で好きな人のことを考えながら耐え凌ぐ。

それでまた立ち上がれる。

ハルくんは服で隠れるところしか殴らない。
誰にも気づいて貰えない辛さ。
誰にも言えない辛さ。

1人、咽び泣く夜もある。

でも今日真希にバレた。
彼女も私と同じような目にあってきたからわかるのだろう。

そして恵にもバレた。

キラキラしてる恵に闇の中にいる事を知られたくなかった。
恵の顔が曇る。

そんな顔見たくなかった。

硝子さんのところになんて行けるわけない。
アザが消えてたら硝子さんに話したと思われて余計酷い目にあうのはわかってるから。

だから私は無理矢理笑顔を作った。

任務を終え高専に戻ると恵が待っててくれてた。
それだけでも嬉しいのに夕食までごちそうになった。
うれしすぎて涙が出そうになる。

必死に堪えてご飯を食べた。

「お皿洗うね。」

「いいよ、俺がやります。」

テーブルのお皿を取ろうとした時、恵の指と私の指が触れた。

長くて骨張った指。

胸の鼓動が速くなる。
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