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愛欲♡【呪術廻戦】裏夢 短編 R18  

第5章 遮二無二〜伏黒恵〜


大きな手が勢いよく振り下ろされる。

わざと避けなかった。

大きな音と共に私の体は壁に当たった。

「お前はもう俺の物だよ。」

倒れた私を起こしながらハルくんが言った。
私は目に涙を一杯溜めて彼を見上げた。

「そそる顔しやがって。」

その刹那、私の体は乱暴に床に落とされた。

目を閉じるとブラウスが引きちぎられる音が聞こえる。
飛んだボタンが床に転がる音も。
有無を言わさず冷たい床の上に組み敷かれ、強引にされる。
もう既に何度も体を重ねているけれど、こんなのは初めてだった。

硬く閉じた目から涙が流れ落ちる。


その時、脳裏には別の男の顔が浮かんだ。



「中村先輩。」

「私も真希みたいに下の名前で呼んで。」

「は、はい……みやびさん……」

「ありがと、恵。」

彼は後輩の伏黒恵。
中学生で既に2級術師になっていた天才。
彼は私よりもずっと早く高専に出入りしていた。
私が入学したての頃、校内で迷っていると恵が助けてくれた。
優しい子なの。



「ハアッ、ハアッ、みやび、みやび……」

ハルくんに無理矢理されている最中、恵を想った。

背が高くてイケメンで強くて優しくて。

こんなかっこいい人の彼女はやっぱり目がぱっちりしてて、美人で八頭身で背が高くてスラッとしてて、手足が長い女の子なんだろうな。
そしてきっと彼より年下に決まってる。

私は背も低いし八頭身でもない。
美人でもなければ手足も短い。
おまけに恵より年上。

私、何考えてんだろう。

嫌な事を忘れるための妄想で悲しくなってどうすんだ。
どっちの涙だかわからなくなった。


これ以来、ハルくんはしょっちゅう理由をつけては手を挙げるようになった。
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