第3章 舌先三寸〜日下部篤也〜
金曜の夜、仕事を終えて家に帰ろうとしたらスマホが鳴った。
最近付き合ってる女からの着信。
「もしもし?」
「あっくん?今夜会える?」
「ああ、俺はいいが。どうした?今日は金曜の夜だぞ?」
「アイツ、急な出張で来週まで帰らないの。」
「わかった。俺、酒買って帰る。」
「じゃあ、私は夕食買ってくわ。」
「了解。」
この女は人妻だ。
歳は知らない。
だけどおそらく俺よりは上だ。
旦那が出張で家を空けることが多く、自分に関心がないので自由に遊んでいるらしい。
一応、人目を気にするらしく会うのはいつも俺の家。
コンビニに寄って酒を買った。
マンションの前まで来た時、丁度女が反対側から女が来た。
キスしながら鍵を開けて玄関へなだれ込む。
「ンンッ!ちょっと、どうしたの?あっくんらしくない。」
女が俺の胸を押しながら言った。
「今日ちょっと嫌な事があっただけだ。」
コンビニの袋からビールの缶を出して栓を開け、乾いた喉に流し込む。
「大丈夫?」
買ってきた惣菜をテーブルに並べながら女が言った。
「それは後でいい。」
女の背後に立ち、細い腰に腕を回す。
首筋にキスを落とし、スカートの裾から手を入れる。
「ンンッ、ヤダァ。」
「もう、濡れてる。」
「今日のあっくん、エロエロだね。」
「ダメか?」
「いいよ。」
女が振り向き、俺の頭を押さえてキスしてきた。
わかってるじゃん。
この女のこういうところが好きだ。
人妻で構わない。
むしろ、人妻だから付き合っていると言っても良い。
時々会って飯食って酒飲んでヤル。
気軽な関係。
その方が気が楽だ。
女の後ろからスカートを捲り下着を下ろす。
「いいか?」
「ゴムつけたらね。」
そう言って女は自分のカバンを漁ってゴムを出してきた。
それを受け取り、準備をしてからバックで入れた。