第2章 密事〜禪院直哉〜
「なん……で?……こんな事……する……の?」
「泣かんといて。びーびー泣く女は嫌いや言うたやろ?またいじめるで。」
「っ、ご……めんなさい。」
直哉くんの大きな手が私の頭を撫でる。
「わかったらええねん。みやびちゃんは俺の言う事だけ聞いてお利口さんにしててや。そしたらみやびちゃんが大人になった時、俺のお嫁さんにしたるから。」
この時私はまだ11歳、直哉くんは15歳だった。
私は思った。
いつか、この男を私の言いなりにしてやろうと。
その後すぐ親同士が仲違いした。
それ以降、私が禪院家に行くことはなかった。
必然的に直哉くんと会う事もなくなった。
大人になり、私は自他共に認める強い術師になった。
ある日、任務に赴いた先で直哉くんと再会した。
相変わらず嫌な笑い方をする男だった。
昔と何も変わってない。
ある意味すごいと思った。
食事に誘われたけど焦らす事にした。
2ヶ月間焦らしに焦らしてやっと会ってやった。
初めは直哉くん好みの女を演じた。
直哉くんは物欲しそうな顔して私を見てた。
そしてキスされた。
懐かしい感触。
昔、無理やりされてたっけ。
何だろう。
直哉くんのキス、気持ちいい。
体を重ねて確信した。
私たち、相性最高じゃん。
だけど、直哉くんがイクの早すぎて物足りない。
早いよって教えてあげた。
マウント取って私の方が上だと知らしめた。
私の名前を必死に叫ぶ直哉くんが可愛くてたまらなかった。
私のためなら何でもするって言ってくれた。
念願叶って直哉くんが私の言いなりになった。
最高に気持ちいい!
たまんない♡
男はいないって言ったのは嘘。
ウチはとても厳しいから男の事は常に秘密。
直哉くんも私の身辺調べたはず。
上手く隠してるからバレなかった。
だけど、彼氏とはもう別れる。
本命とやっと結ばれたから。