第5章 遮二無二〜伏黒恵〜
脳が痺れる。
こんなキス久しぶり。
ううん、初めてかも。
息継ぎする間も惜しんで求めあって。
次第に頭がクラクラしてくる。
夢の中にいるみたい。
あ、これ夢か。
だから恵に好きだって言われたんだ。
これ、私の願望だ。
ハハッ、それにしてもリアルな夢だな。
肩に置かれていた手が頬に添えられてる。
めちゃくちゃ熱い。
「みやび」
唇が離れ、名前を呼ばれた。
「恵、これ夢だよね?」
「現実だけど……」
訝しむように私を見る恵。
「嘘?」
「いや、本当。」
「ええっ!?」
「そんな驚くなよ。キス……嫌だった?」
悲しそうな顔で私を見つめる恵。
「ううん、嫌じゃない。恵の、キス……凄く……よかった。」
「本当に?」
「う、うん。」
「俺の事好きって言ったのも本当?」
「うん。」
思いっきり抱きしめられた。
ギュッて。
「好きだみやび。」
「私も、恵が好き。」
恵の背中に手を回して力を込める。
「みやび、キスしていい?」
「うん。」
ゆっくりと体を離し、口付ける。
舌を絡め、唾液が混ざりあう。
恵の舌を夢中で受け止め、追いかける。
「ンンッ……」
思わず漏れた吐息。
後頭部に手を添え、ゆっくりとソファの背もたれに私を押す恵。
「可愛い……」
目を見て囁かれ、首筋に吸いつかれる。
「ンッ……」
軽く吸われて声が出る。
ワンピースの胸元をずらし、鎖骨に舌を這わせる。
それと同時に胸を揉まれる。
「ンンッ……」
恵の首に手を回す。
燃えるように熱い恵の肌。
「恵……好き……」
耳を舐めた。
もうダメ。
止まらない。
「俺もだよ。ねえ、ここに座って。」
腰を上げ、恵の足を跨ぎそのまま足の上に向かい合わせになるよう座った。
「これでいい?」
耳元へ口を寄せて言った。
「いいよ、最高……」
そのまま耳たぶを舐め、甘噛みした。