第13章 グロッタの孤児
ラァラはサランに会えたことが嬉しくて気恥しい様子だった。
「今日はちょっとこの後、みんなの所に戻らなきゃいけないから明日でもいい?」
ラァラの顔はパッと明るくなる。
「うん!!もちろん!!嬉しいー!」
ラァラの様子にコーアも嬉しそうだった。
「よかったな!ラァラ!ありがとうサランお姉さん。」
「全然いいよ。私なんかでよければ。
歌う場所はどうする?今だと町中じゃあコロシアムの邪魔しちゃうと歌いにくいし…」
サランはうーんと考えているとコーアが思い立つ。
「もし、サランお姉さんがいいなら孤児院のある教会で歌ってくれないか??
せっかくだから、みんなにも聞かせてやりたいんだ。」
「孤児院?」
コーアが少し寂しそうな表情を浮かべた。
「うん。おれとかラァラは生まれた時からお母さんとか家族がいなくて、ハンフリーお兄ちゃんがいつもおれたちの面倒見てくれてるんだ!
だから、おれたち寂しくないし悲しくないんだ!」
「そう、ハンフリーさんて優しいのね…」
サランは涙が溢れそうになるのを堪えた。
やはり、子どもは誰か大人の助けが必要だし大切なんだと思った。