第13章 グロッタの孤児
今、目の前の子はきっと優しいハンフリーという人が守ってくれてるんだと心が熱くなる。
「ラァラちゃん…だっけ?明日午後にここで待ち合わせしましょう?
お金は受け取れないけど、あなた達のために私が歌いたくなったの。いいかしら?」
サランの言葉になぜ?という表情がラァラから浮かぶ。
「でもいいのか?歌姫に歌わせるのは金が必要って」
コーアが心配そうにサランの顔を覗き込む。
「そうね…。でも誰かのために歌いたくなったら歌ってもいいと思うのよね。だから、明日孤児院で歌わせて欲しいな〜」
2人は顔を見合わせて嬉しそうに笑った。