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月夜の歌姫

第13章 グロッタの孤児


向かった先は道具屋。

「いらっ…え?」

道具屋の店員はいきなり現れた歌姫に言葉が詰まる。

「こんにちは。」

サランはそんな道具屋に愛想良く挨拶をする。優しく綺麗な声に店員はハッとした。

「あぁ、いらっしゃい。
まさかこんなところで綺麗なお嬢さんにお会い出来るなんてなぁ。
今日はどう言った御用で?」

(シルビアさんやセーニャさんがあまりMP使わなくていいように薬草は買っとこうかな…?)

「薬草、15個と」

「すみません…うちは上薬草しか扱ってないんですよ。」

「あ、じゃあ上薬草15個と上毒消草を10個ください。」

サランは店員に道具袋とお金を差し出し、店員に入れてもらう。

「なんで、またあなたみたいな方がこんなところに?サーカスが来るとは聞いてないですよ?」

「あー…。うん。ちょっと旅をしてて。」

「1人で?」

「いいえ、まぁちょっと付き人みたいな形で同行させていただいてて。」

「はぁ。はい毎度。また良ければ来てください。
いつでも用意してるので」

店員はにこやかに笑顔を浮かべサランに道具袋を返した。

「ありがとうございます。」

サランが店を出ると、小さな女の子が店の前にモジモジと立っていた。
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