第13章 グロッタの孤児
ベロニカとセーニャは2人で行動することにした。
「アタシ達も何かないか見てみましょう?」
サランとシルビアで行動しようと歩き出すと、なんとなく周りがざわついていることに気がつく。
「ねぇあの人、歌姫の…」
「こんなとこに何しに?」
チラチラ耳に入る雑音にも似た声にシルビアは不思議な不快感を覚える。
サランは聞こえてないのか辺りを見回しながら歩いていく。
歩いているとシルビアに手を掴まれ引かれた。
「サランちゃん、危ないわよ。」
シルビアがウインクをした。
え?と思った矢先、目の前をコロシアム出場希望者らしき男が通っていく。
もう一歩前に出ていればきっとぶつかって迷惑かけただろう。
「ありがとうございます。」
「ウフフ、いいのよ。
それよりここに滞在するの何日かかかりそうだから、アタシたちでみんなの宿を取っときましょ? 」
「そうですね。」
2人は近くの宿屋に行くと4人部屋に通された。