第12章 女神の歌
「これは?」
「あなたのために買ったのブレインちゃんが打ち直ししてくれて強度とかは上がってるわ。
何かあった時に使えるよう持ってなさい。」
シルビアは、困ったように優しく笑った。
「さて!それじゃあ早く次の目的地を決めなきゃね!
アリスちゃん、虹の枝を買った行商人の足取りは掴めたかしら?」
「聞いた話によるとバンデルフォン地方に向かったそうですよ。」
「よーし!それじゃあバンデルフォンに向けて出発よー!」
サランは夢を見た。
木漏れ日に心地よくうたた寝しているような夢。
まるで、母親に抱きしめられてるかのように温かく安心する。
サラン…歌ってはいけない…
優しい声はサランの耳をくすぐり頭に響く。
(歌ってはいけない?)
どういうことか分からず首を傾げる。