第12章 女神の歌
しかし、声はそれ以降聞こえず気がついた時には外がざわめいていた。
「ここから先がバンデルフォン地方でがす。
情報を集めるならその先にあるグロッタにいくといいでげすよ。
あっしはこの辺で待ってますんで、いってきてください。」
アリスが小船を出そうとしていた。
「あ、サラン!起きたんだね!ほら早く行くよ?」
ベロニカが大きく手を振る。
「サラン様、お身体はもう大丈夫なのですか?」
セーニャが心配そうに駆け寄ってきた。
そういえば何となく身体が軽い気がする。
「あぁ、はい。おかげさまで。」
「もう、無茶はするなよ?」
カミュの言葉に苦笑いが零れる。
「ほら、みんなー!行くわよ!じゃあアリスちゃん、あとお願いね。」
シルビアがウインクしてアリス以外の全員が上陸をした。