第10章 海の町の子
サランと別れた5人は洞窟へと足を運ぶ。
「なぁ、いいのか?」
歩きながらカミュがシルビアに尋ねる。
「なにが?」
「アイツだよ。なんで連れていかなかったんだ?」
「あの子の方が子どもと関わるの得意だと思っただけよ。」
シルビアはまっすぐ前を向く。
「でも、あたし達よりサランの方が子どものこと聞き出すのは上手そうだったよね。
さっきも話聞き出してたし。」
ベロニカがよいしょよいしょと小さな体を前へ進ませる。
「そういうこと。」
カミュは納得しなかったがそれ以上詮索してもかわされるだろうと思い何も言わなかった。