第10章 海の町の子
早速3人はラハディオの住む家へ向かった。
ノックをすると優しそうなおじさんが顔を覗かせる。
「あなたが町人ラハディオさん?」
サランがにこりとほほ笑みかける。
それを見たラハディオもつられて笑った。
「えぇ、私がラハディオです。一体どういった御用で…」
と言いブレインを見ると「あんたらに話すことは何もない!」とドアを閉めてしまった。
「話すら聞いてくれねぇな…なんだよ…優しい人じゃなかったのか?」
カミュがワケわからないと両手を上げた。
「今の方ブレインさんを見て何か思ったようですが…」
ふむ…とサランも考えるが原因が分からなかった。
カミュは何かを思ったらしいが黙っている。
そんなときセーニャがやってきた。
「あぁ、皆さんこんなとこにいらっしゃったのですね。
来ていただけませんか?
ちょっと困ったことがありまして
助けていただけませんか?」
カミュははぁっと深いため息を吐いた。
「全くあのチビちゃんは困ったもんだ。」
「話も取り合ってもらえませんでしたしとりあえず行きましょう?」
サランが言うと3人はセーニャについて行った。
セーニャの言う通り、ベロニカはどうやら町の子どもに杖を取られたらしくその男の子たちと揉め事をしていた。
「あのぉ〜ボク、ごめんね。どうして杖が必要なの?
とりあえずそれをベロニカさんに返して話を聞かせて?
きっと、イタズラで取るとは思えないんだ?」
サランの優しい声に活発な男の子はうぐぐと1歩下がった。
その男の子の前にもう1人の優しそうな男の子がでてきた。