第9章 旅の始まり
「もちろん、遊びでは無いのは分かってます。
世界中飛び回って笑顔もあれば苦しめられてる人々もいて。
私も昔は…」
何を言いかけたのかサランはいいえと首を横に振った。
「笑顔を奪う邪神ちゃんがいたらアタシの夢も叶わなくなるわ。
だから、アナタ達の旅の目的はアタシの目的でもあるわけ」
カミュは呆れてため息を漏らす。
「もちろん、旅の途中や戦闘で足でまといにならないよう努めます。
何かあった時はすぐに切り捨てていただいてもかまいません。お願いします」
サランは頭を下げる。
カミュがため息をつく。
「いいじゃないですか?」
セーニャが嬉しそうにわらった。
「それでこれからどこへ?」
「虹色の枝を持つ行商人を追うためダーハルーネに向かおうと思います。」
シルビアの問いにセーニャが丁寧に答える。
ダーハルーネと聞いてサランが口を挟んだ。
「シルビアさん、あそこは港町でしたよね?
もしかしたら既に行商人は海の向こうに渡ってしまってるのではないです?
どうしましょう…既に海に出てたら…。
定期船に乗ると言っても時間はかかってしまいそうですし…」
ベロニカがフンと鼻を鳴らす。
「それじゃあどうしろってのよ?」
「アタシの船を使えばいいのよ。」
「そうですね!シルビア…さんの…船!?」
サランがギョッとシルビアを見つめた。