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月夜の歌姫

第83章 妹の決意


サランはゆっくりと立ち上がった。
セーニャの背中を見つめると、涙があふれる。

「セーニャさん…お強いですね…
1番辛いのはセーニャさんのはずなのに…」

サランの言葉にシルビアがそっとサランの肩に触れる。

「そうね…。
セーニャちゃんは芯がしっかりした子だから、きっとベロニカちゃんもセーニャちゃんにブレインちゃんを守る意志をしっかり引き継いでくれるって信じてたのかもしれないわね。
…アタシたちも行きましょう。」

みんなが歩き出したのでサランもゆっくり歩き出した。




ラムダではあっという間にベロニカの死が人々の間に伝わった。
そして、間もなくして葬儀の準備も行われる。


聖地ラムダの住人が集まり、ベロニカの葬儀が行われた。
サラン達もベロニカに黙祷を捧げる。
村長が儀の言葉を述べ、セーニャが挨拶をする。
毅然とした態度と反対に悲しみに昏れるベロニカたちの両親にサランの心はまた痛んだ。

(私があの時、ホメロスを止めていれば…!)

ギュッと手に力が入る。
サランの胸の中で後悔と懺悔の念が入り乱れていた。
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