第82章 双子の運命
セーニャがスタスタと歩みを進め、それにみんなが着いていく。
「これで無事にみんな揃いますね!」
サランがホッとしたような表情を浮かべる。
「えぇ、そうね。早くベロニカちゃんとも合流して
魔王ちゃんを倒さなきゃね。」
セーニャの後に続き、森のような所へやってきた。
ベロニカの気配はなく辺りをキョロキョロする。
「なぁ?ここにベロニカがいるのか?
どのにも見当たらないが?」
カミュが訝しげにセーニャを見た。
「ここは私とお姉様が子どもの時から、よく一緒に遊んでいた場所なんです。
ここにいると思ったのですが…」
セーニャは目を凝らしベロニカを探す。
木の根元に赤い何かがあるのを見つけた。
「お姉様!お姉様ー!
どこにいるのですかー?」
セーニャの大声にびっくりしたサランが肩をビクッと竦ませた。
「あぁ、セーニャさんの声ね…」
そんなサランを見ていたシルビアは面白いものが見れたと言わんばかりにクスクス笑った。
恥ずかしい所を見られて拗ねたのかふいっとシルビアから顔を背ける。
ふと、サランの視線の先に赤いものが目に入った。
「あれ?
…セーニャさん?」
サランはセーニャを呼んだ。