第81章 ネドラの襲撃
少し進むとグレイグがムッと眉をひそめる。
手を出して、みんなが進むのを止めた。
「なにやら、禍々しい気配がする…
周囲に注意しろ。」
そう言ったグレイグが、空に何かが飛んでいることに気がついた。
「下がれ!」
空にうねうねと黒い影が飛んでいるのが全員に見えた。
それはこちらに気づくと勢いよく下がり横をすり抜け、また空へと飛んでいく。
「……!」
飛んで行ったかと思えばゆっくりとブレイン達を見下ろせる位置で浮遊する。
「氷獄の湖の氷が砕かれ…我は長き封印から解き放たれた。
だが長い間、封印されたせいで思うように力が出ぬ…。
我が名はネドラ…貴様らの命を我が糧としてやろう。」
ネドラはうおぉぉぉと吠えると襲いかかった。
サランがみんなの前に立ち、声をあげて歌いだす。
かつての膜が現れブレインたちを守るように包み込んだ。
ネドラがやけつく息を吐いたが、膜に覆われていたため全員無事だった。
「危ねぇ…サラン、ナイスだな。」
カミュがステップを踏み分身をした。