第81章 ネドラの襲撃
ラムダへ向かうためシケスビア雪原を抜ける。
「ラムダに行ったら、セーニャたちいるといいわね。」
歩いている途中、サランが不安そうな顔を浮かべていたのでマルティナが優しく笑った。
「…そうですね。」
そこへカミュも隣に並んだ。
「あいつらなら大丈夫だろ?」
「……。」
サランは困ったように笑った。
歩いていると急にブレインが立ち止まった。
「どうした?ブレイン?」
ブレインは氷獄の湖を指差す。
そこには大きな穴が開いており、以前見た時と何かが違うと感じさせた。
「こんなところに大きな穴なんてあったかしら?」
マルティナがじっと穴を覗き込む。
「そういえば、ここには龍ちゃんが閉じ込められてなかった?
もしかして氷が割れて、逃げちゃったとか?」
シルビアに言われみんながごくりと唾を飲み込む。
その場のみんなに緊張が走った。
「ともかく、龍に気をつけて進むとしよう。
もしかしたら、ラムダがその龍に襲われてるやもしれん。」
ロウは落ち着いていた。
ロウが歩き出すと、みんなもそれに続くように歩き出した。