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月夜の歌姫

第79章 活気溢れるクレイモラン


先程から歌が聞こえてきているのがサランは気になった。
右手に焚き火を囲いながら詩人が歌いそれを親子らしき2人が聞いているのが見えた。
サランはそちらが気になったのかそちらへ向かう。

冷たい氷のごとき黄金は
孤独なりし闇の夢
されど人の勇気と温もりは
いかなる氷も溶かすだろう
後に残るは美しき愛ときずなと白い雪
ララクレイモラン

「愛…か。
カミュさんとマヤちゃんの1件も愛ゆえだったのかな?」

ポツリと呟いた。

「どうかしたの?そんなこと考えて?」

「いえ、特には深いことは?」

ニコリと笑って焚き火の火を見つめた。

「お兄さんとお姉さんもこの歌好き?」

少年が2人に駆け寄りニコニコする。
サランはとしゃがみ少年と視線を合わせニコリと微笑む。

「えぇ、素敵な歌よね。」

シルビアもしゃがみ少年と目を合わせた。

「あなたもこの歌が好きなの?」

シルビアの質問に少年は満面の笑みで頷いた。
そこへ彼の母親らしき人がやってくる。

「すみません、うちの息子が。なにか迷惑かけてないでしょうか?」

ぺこりと頭を下げ心配そうに2人を見つめた。

「いいえ、大丈夫ですよ?」

「そうでしたか。」

母親はホッと胸を撫で下ろした。
とても心配していたのがよく分かる。
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