第8章 夢を追う
邪悪の神を倒す旅に面白そうと言う。
世界中を笑顔にしたいという夢を持つ彼が笑顔を奪う悪いやつを倒しに行きたいというのは至極当然のことだ。
「まっさかぁ!ねえさんに限ってそれはないでしょ。」
ニコスがあははと笑い飛ばしたがそれでもサランの胸は切なさで溢れていた。
2人が話しているとシルビアが話を終え歩いてくる。
たまらずサランはがシルビアに声をかけた。
「あの…まさか、行くんですか?」
シルビアはうふふと笑った。
「なぁに、すぐ帰ってくるわよ。」
笑っていたニコスの表情が一瞬で不穏なものになる。
「え、何言ってんのねえさん」
「ちょっとやりたいことのためにやらなきゃいけないことが出来たのよ。
団長さんはそれがアタシの大切なことなんだと分かってくれたわ。
行かないで…なんて言うのはなしよ?」
パチッとウインクするがニコスはその顔にイラッと来た。
「行かないでとは…言いません…
ただ、シルビアさんの夢を傍で応援できないのが
少し寂しいなって思うだけなので…
それに私にシルビアさんを止めたくはないかな?」
サランは静かに俯きまるで自分に言い聞かせるように呟く。