第8章 夢を追う
「シルビアねえさんてほんっっっとお人好しだよね!
王子がいるから大丈夫なはずなのに」
ニコスがムスッと頬を膨らます。
サランはクスクス笑いながら仕方ないよと宥めた。
「サランはいいの!?」
「もぅ…またその話?私は一緒にいられるだけでいいの。
ずっと、シルビアさんの傍で歌いながらシルビアさんの夢を応援してたいの。」
「サランはほんとにおバカだよね!!
そのお人好しさはねえさんゆずりなのかしら??」
ニコスがピシャリと言った後、シルビアが帰ってきた。
「たーだいまぁ〜!」
「シルビアねえさんどこ行ってたの?いつの間にか飛び出しててさ?」
「やぁねぇちょっとした人助けよ。
それより団長さんはいるかしら?」
キョロキョロと辺りを見ましているとサランが
「多分控え室にいると思いますよ?」
と言った。
「あらそぉ?それじゃあちょっと行ってくる〜」
ルンルンと楽しげに歩いていくシルビアを2人は見つめた。
「どうしたんだろう?まさか、サーカス抜けるとか?」
サランが不安げに呟いた。
昨晩のシルビアの様子を思い出す。