第78章 鉄鬼軍王キラゴルドの正体
サランの言葉が聞こえたマヤは眉をひそめ立ち上がった。
「なに?このオレが可哀想っての?
そうだよ、オレはアニキにすら見捨てられたからな。」
「違うよ?そういうことじゃなくて。
今のあなたはってことよ。
黄金があれば幸せになれるなんて思わない方がいいよ?」
「はぁ?何わけわかんないこと言ってんの?」
そこへカミュが割り込んでくる。
「おい、あいつを逆撫ですんなよ。」
「そうだね…これ以上は何も言わない。
2人の問題だからね?」
ふっと口角をあげてサランは笑い、カミュも頷く。
「ありがとう…マヤ、今のお前の望みなのか?
魔王の配下になって、そんなことが?」
カミュの問いかけにも答えずマヤは高らかに笑った。
「あははは!今更オレに説教しようっての?
ほんとにバカなくそアニキ!」
マヤは首輪の力を解放した。
禍々しく光が出たと思うと、マヤを包み込む。
そして、それが収まると鉄鬼軍王として名を馳せる姿に変わっていた。
「……この5年間、ずっと考えていたんだ。
オレが生き残ってしまった意味とやるべき事を。
お前がそんな姿になったのも…
全ての原因はオレにある!
ここで、お前を倒すことがオレに課せられた贖罪だ!」
カミュは真っ直ぐマヤを見つめた。