第8章 夢を追う
シルビアが外に出て高いところで様子を見にいくと悲鳴を上げていた国民がファーリスに期待をして応援する。
当の本人は震え俯き、デスコピオンに立ち向かおうとはしない。
「まったく何してるのかしら…」
シルビアはすぅっと息を吸うと大声を上げた。
「騎士たるもの!!」
ファーリスはどこからともなく聞こえてきた声に騎士道を語る。誰の声かと上を見上げるとそこにはシルビアが立っていた。
シルビアはファーリスにまた「騎士たるもの!」と叫ぶ。
「どんな逆境にあっても立ち向かう…」
「そう!あなたは騎士の国の王子!
卑怯者で終わりたくなければ立ち向かいなさい!」
シルビアの言葉にファーリスは剣を構えた。