第77章 黄金城
階段を上ると檻みたいな格子と左右に扉があった。
左側にある扉はどうやってもあかないみたいで仕方なく右側の扉を開ける。
扉を開けるとすぐ目の前には黄金のスロット、黄金の大砲、黄金の絵画に金貨の山。
さらには像にされた犬も飾ってある。
「本当に悪趣味な城だな。
くそ…この城のどこかにマヤが…
キラゴルドの野郎め、待っていやがれ。
必ず俺の手でぶちのめして、マヤを取り返してやるからな!」
カミュは拳をこれでもかと握った。
「………」
そんなカミュをサランは何か言いたげに見つめる。
シルビアもサランがなにかを考えていることに気がついた。
「サラン?どうしたの?」
「いえ、あくまで色んな仮説が立つ上での話なんですが…。
そのキラゴルドがマヤちゃん当人という可能性は?」
カミュがはぁ?っと振り返った。
「なんだ?サラン。マヤがこんな酷いことする悪人だって言いてぇのか!?」
「ち、違います!そうとは言ってないです!
魔物に操られる可能性もあるし、本当に黄金像のままだってありえますし…。
でも、自分の妹だからってそう被害者とは限らない事も考えた方が…」
「いくらサランでもそれ以上、言うなら許さねぇぞ!」
サランはカミュに怒鳴られ萎縮した。