第75章 カミュの秘密
目を覚ましたサランは辺りを見回す。
「ここは…?あ、カミュさん!」
カミュは深刻そうな顔をしてサランを見つめた。
「良かった…目が覚めたんですね?
すみません、オレのせいであなたまで捕まってしまって…。」
サランは起き上がり再度、自分の置かれている状況を見つめた。洞窟っぽい所に鉄格子がかけられている。
この光景は前にも似たような…とサランはふと考えた。
「とりあえず今は落胆してる場合じゃないですよ。
それに、カミュさんのせいだなんて私は思ってません。
あの時、逃げようと思えばカミュさんを置いて逃げることも出来たはずですし。神父さんが無事だと良いんですけど…。」
そこへ先程、金色に輝く長らしき魔物の笑い声が響いた。
「ガハハ!皆の者!ラム酒の用意だ!
思わぬお宝が手に入ったからな。
キラゴルド様もさぞお喜びになるだろう。」
仲間がうぉー!っと雄叫びを上げる。
長が2人のいる牢屋に近づいてきた。
「それにしても、キラゴルド様ご指定のブツが少しは手こずったが手に入るなんてな。
こいつを貢げば…フフフ。
それと、そこの女はいい黄金の象になるだろうな。
綺麗な姿で像になって欲しいものだ。
他の連中みたいに情けない姿のまま像になるんじゃなくてな。」
サランはキッと魔物を睨みつけた。