第75章 カミュの秘密
そんなサランを見てカミュが叫んだ。
「もういいから!サランさん…いいよ。
オレ、こいつらについて行く。」
「何を言って…!」
「だから立ち上がらないでください。」
「ダメに決まってるでしょ…」
そこへまた魔物がサランの体を件で叩きつける。
「しつこい女だ!
オレたちは暇じゃねぇんだよ!
黄金になっていない人間には興味はねぇが、この男は別だ。お頭が連れてこいと言うし本人もついてくると言ってるんだ。
邪魔をするんじゃねぇ!」
それでもサランは武器を構えカミュと魔物の間に立ったままだった。
「なぁ、どうせならこいつも連れていこうぜ?
よく見ればかなりの上玉。
こいつも黄金にすれば!」
もう1人の魔物がケタケタと笑いだした。
「それはいい考えだ。」
すでにボロボロのサランは多方向から来る攻撃を受けた。
武器でガードをしたりもしたが数が多すぎる。
何度も攻撃を受け続け、やがて気を失った。
「サランさん!」
「カ…ミュさん…逃げ…」
倒れたサランに魔物はふぅと息を吐いた。
「随分と手こずらせやがって、野郎ども!
こいつらを連れていくぞ!」
無抵抗のカミュと倒れたサランを抱え彼らは自分たちの船に乗り込んだ。