第74章 奇病黄金病
クレイモランの町に入るとロウがうぅむと唸った。
「あれほどの大惨事の後じゃからのぉ…
シャール女王が心配じゃ。わしとブレインで城に入るとしよう。
皆は町の様子を見てはくれぬかのぉ?」
カミュ以外の全員は文句無しに頷く。
カミュはサランに言われても不安を拭いきれていないみたいだ。
「カミュ、お主は記憶もないからのぉ。
安全のためにわしらと一緒に城へ入るとしよう。」
ロウに促されカミュはシルビアやマルティナ、サランを見た。3人はその方がいいと思いカミュに頷く。
「よし、それならばわしらは城に行くかの。」
ロウとブレインとカミュは城へと向かった。
それを見送るとグレイグとマルティナ、シルビアとサランに分かれ町を手分けして歩き出した。
クレイモランの町の様子は人が誰も外に出ていない不思議な光景だった。
シルビアは近くの家の扉をノックするが返事が返ってこなかった。
「うーん、変ねぇ?人は居そうなのに誰も返事してくれないわ?」
「…他の家も訪ねてみませんか?
1件だけじゃあ分かりませんし。」
「そうね、行ってみましょう。」
シルビアとサランは次に道具屋の扉を叩いてみた。
「すみません。誰かいませんか?
お話を聞きたいのですが…。」
サランが声を上げても何も反応がなかった。
「……仕方ないわ、1度グレイグたちと合流してブレインちゃん達を待ちましょう?」
「そう…ですね…。」
サランとシルビアは2人と分かれた広場にと戻ってきた。