第74章 奇病黄金病
広場に戻るとすでにマルティナとグレイグも戻っていた。2人はサランとシルビアを見ると近づいてくる。
「一体この町はどうなっているんだ?
みんな、何かに怯えて扉を開けるどころか返事すらしてくれない。
そっちはどうだった?」
グレイグが少し苛立っているのがサランには感じた。
シルビアも首を横に振る。
「こっちもダメだったわ。みんな家の中にいるとは思うけど誰も出てこなかったわ…?」
「なんでしょう?あの黄金の山と関係してるんでしょうか?」
サラン達が首を捻っているとブレイン達が戻ってきた。
「ロウ様、それにブレイン。なにか分かりましたか?」
マルティナの問いにロウがうぅむと唸り難しい顔をした。ブレインも困ったような顔をする。
「詳しくは分からんがシャール殿が言うには…」
ロウの説明を聞く時、サランの視線の先にゆっくり歩いているおばあさんの姿が見えた。
「あ、すみません!おばあさん、この町の様子が変で良ければ少し話を聞かせて貰えないですか?」
サランがおばあさんに声をかけるとおばあさんは怪訝な顔をした。