• テキストサイズ

月夜の歌姫

第72章 記憶喪失の少年


シルビアが振り返り少し納得しなさそうな顔をする。

「何だかムズムズするわ。
今のカミュちゃんを見たらベロニカちゃん、きっと笑い転げるだろうね…」

カミュはキョトンとした。

「さて!早く目的地に行きましょう?」

パンパンと手を叩いてシルビアはみんなを甲板へと誘導した。
サランもそれに続く。

「カミュさん、行きましょう?」

カミュは少しユキを怯えたように見つめた。

「大丈夫よ。この子は噛んだり人を襲ったりしないわ?ね?ユキ?」

「ガル!」

サランの言葉に返事をするかのようにユキは一鳴きした。

「うわぁ!?」

そんなカミュを見てユキはしょぼんとする。
その様子があまりにもおかしくて、サランはクスクス笑った。

「ユキはみんなと甲板へ先に行ってて?」

サランに促されしぶしぶユキも甲板へ行く。

「あ、あなたは何者なんですか?
魔物を連れて…」

「何者って言われても…
私は…えっと…」

サランは困ったように笑う。

「あぁ、すみません!決して魔物の手先とか言いたかった訳ではなく!」

「分かってる。うーん…とりあえずここで長話もなんだし甲板へ行きましょう。」

サランもカミュと船倉から出てきた。
/ 618ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp