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月夜の歌姫

第72章 記憶喪失の少年


そこへブレインがやってきた。

「サラン?もしかして物音ってサランが?」

「あ、ブレインさん。いいえ?
あの…カミュさんが…」

魔物に怯え腰を抜かしている青年こそ一緒に旅をしてきたカミュだった。

「カミュ!?」

そこへシルビア達も駆けつけた。

「2人とも大丈夫?
みんなも連れてきたわよ…って?
え?か…カミュちゃん!?」

突然現れたカミュにみんなも驚くが彼が無事だったことに安堵した。

「おぉ〜カミュよ!やはり生きておったか!
お主ならタダでは転ばぬと思ったわい。」

ロウがカミュに近づきにこやかにするがカミュは驚いたママだった。

「ロウさん…なんていうか、様子がおかしくないですか?
……カミュさん?」

サランも優しく手を伸ばそうとした。
カミュがビクリと肩を震わせいきなり土下座をした。

「ゆ、許してください!」

みんながカミュの突然の行動に驚き目を見開く。

「おれ、3日も飲まず食わずで…
この船に食べ物が積まれているのが見えて
それで、出来心で…」

シルビアが困ったようにカミュの様子を伺う。

「えっーとカミュちゃん?」

カミュはさらに怯える。
グレイグはそんなカミュを見て訝しげに睨んだ。

「一体どういうことだ?
この者はカミュではないのか?」

カミュは立ち上がり俯いた。
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