第71章 指輪
ラァラは、サランに気づかず続けた
「サランお姉ちゃんがなんでこんなに傷だらけになってるの!
魔物を倒して追い払ってもなんで傷ついてるのがサランお姉ちゃんなの!
シルビアお兄ちゃんはいつもサランお姉ちゃんを追いかけてばかりでなんで守ってあげないの!
それならお兄ちゃんが…お兄ちゃんが魔物に!」
ラァラの言葉を遮ってサランの優しい声が響いた。
「ラァラ…」
ラァラやハンフリーが振り向くとサランは痛みに耐えて起き上がった。
「サラン…お姉ちゃん…」
サランは驚いてるラァラに優しく微笑んだ。
「ラァラ、シルビアさんのことをそれ以上言うのは止めてほしいな。
私の大切な…とても大切な人だから。」
「でも…!」
「ラァラ…お願い?」
ラァラはどこにどの感情をぶつければいいか分からないと言った顔になる。
「ラァラ?シルビアさんはね…私を守ろうと必死に戦ってくれてたのよ。
でも、私ちょろちょろうろうろ動き回るから
シルビアさんにまで魔物が行っちゃって。私が悪いの。」
シルビアはサランの優しい嘘に目を逸らした。