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月夜の歌姫

第71章 指輪


シルビアは教会にたどり着くとドアを開けた。
サイデリアがシルビアに気づくと彼に駆け寄る。

「レディ・マッシブ!本当に魔物を倒しちゃうなんて!」

「え、えぇ。私一人じゃ出来なかったけど…
そ、それよりハンフリーちゃんはいる?」

「ハンフリーさん?えぇ、さっき戻ってきたわ。
多分そこの部屋にいると思うけど。」

「そう、ありがとう。」

サイデリアの指さした部屋へシルビアは向かった。
ノックを2回すると部屋の中から声がした。

「誰だい?」

「ハンフリーちゃん?アタシ、レディ・マッシブ」

シルビアがそう名乗るとがちゃりと扉が開いた。

「レディ・マッシブ。久しぶりだなぁ。
どうしたんだ?こんなところまで来て。」

「久しぶり、銀色の髪の毛をした女の人を探してて
あなたといるとこを見た人が教えてくれたの。」

「もしかしてサランのことか?」

「やっぱりいるのね!?」

「あ、あぁ。気を失っているが…何かあったのか?」

シルビアは難しい顔をした。
その表情を見てハンフリーも困ったようにため息をつく。

その二人の間にラァラがやってきた。

「シルビアお兄ちゃんの嘘つき…」

「おい!ラァラ!」

コーアが怒った声をあげる。
なにやら騒がしいと思ったのかサランが目を覚ました。
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