第71章 指輪
シルビアはまだそんなに遠くに行ってないと思ったのかカジノ内でサランを探していた。
「あの、銀色の髪の毛をした女の人見かけなかった?」
「いや?見てないなぁ…」
「そう…ありがとう。」
魔物から人間に戻り戸惑う人々に声をかけてはサランの行方を追っていた。
「兄ちゃん、もしかしてそれはハンフリーが連れてった人のことじゃねぇか?」
声をかけてきたのは酒場のマスターだった。
「それはほんと!?」
「あぁ、全身傷だらけでフラフラしてた所をハンフリーとその孤児院の子どもに声をかけられてたのを見たからな。
みんな、自分の状況が分かってないようで周りを気にする暇がなかったんだろ。オレはなんとなく周りを見ててたまたま光ったような銀色の髪の毛が目に止まったんだ。」
「その人たちは?どこに?」
「さぁ?ちょっと遠く壁際で話してたから聞こえんかった。まぁ、ハンフリーのことだ。
孤児院にでも連れていったんじゃないか?」
シルビアはありがとうとウインクすると急いで孤児院に向かった。