第71章 指輪
ブギーが消滅し残った緑色のオーブがブレインの足元に転がる。ブレインはそれを拾って鞄の中にしまった。
マルティナはまた、いつもの姿にもどる。
新しい力に目覚めたのか少し驚いていた。
グレイグも驚き言葉が詰まる。
「姫様?今のは…!?」
「魔物になっていたせいかしら?
新しい力に目覚めたみたい
今ならどんな強敵でも蹴り倒せそうだわ!
……ところで。」
マルティナはサランの方を見る。
シルビアのそばにいるサランは何度も蹴られたからかあちこちにアザができていてマルティナに対して少し恐怖があるのか怯えたように見つめていた。
「……サラン。だ、大丈夫…じゃないわよね。
いくらブギーに操られてたからってあなたに酷いことをしちゃったわ…。
ゆ、許してなんて軽々しく言うつもりは無いけれど…」
マルティナが手を伸ばし1歩近づくとサランは2歩下がった。
「……ぁ。」
「サラン?大丈夫?顔色悪いわよ?」
シルビアからも離れ俯いた。
「ご、ごめんなさい。1人になりたいです。」
ゆっくり下がった後にサランは全身に伝わる痛みを我慢して走って行ってしまった。
「ちょっと、サラン!?待って!
あ、えっと話を進めててくれる?すぐに戻るから!」
ワンテンポ遅れてシルビアが後をおった。