第71章 指輪
檻が消えサランは真っ先にシルビアの元へと駆け寄った。
「シルビアさん!」
「サラン…無事でよかったわ…!」
シルビアは力いっぱいサランを抱きしめる。
正気を取り戻したマルティナが辺りを見回す。
「私、どうしたのかしら?…ここは一体?」
そこにいたブレインとグレイグにマルティナは驚いた。
「まぁ!ブレイン!それにグレイグも!?
あなた達、どうしてここに?」
元に戻ったマルティナにブギーは情けない声をあげる。
「ああぁぁ…はうぅ……
どぼじで、ボクちんがこんな目に会うんだ!
ボクちんはこの楽園で1番強くて偉い王様なんだぞぉー!」
「あの魔物は!」
マルティナがブギーの存在に気づくと指の間接を鳴らして気合を入れる。
怯えるブギーに対してジリジリとマルティナは近づいていった。
怒りからなのか妖気らしきオーラがマルティナから溢れる。
「ま、マルティナさん?」
「今までのこと…全て思い出したわ。
妖魔軍王ブギー…さん?」
マルティナから放たれるオーラはだんだんと黒くなりマルティナを包み込んだ。
目がぎらりと光るとオーラから足が飛び出す。
そこから現れたのは先程サランたちと戦ったバニーガール姿、呪われしマルティナだった。
「100万倍にして返してあげるわ!」
マルティナはそういうと抵抗する力も無くなったブギーに攻撃の嵐を繰り広げた。
あまりにも残酷だったためブレインたちは目を瞑る。
サランはと言うとシルビアに抱きしめ返され彼の胸元に頭を埋められた。